安心が最優先!「妊娠初期は歯科治療を極力控え、妊娠5〜8ヵ月は緊急対応のみ治療」を推奨
妊娠初期は治療を控えてください
妊娠初期の患者さんは、当院は、原則、治療は控えます。
何故なら、お腹の中にいる、胎児にどんな影響があるのかわからない為です。
処方するのに必要な薬も、当然控えますし、よく考えます。
歯に痛みがある場合でも、通院している産婦人科の病院の先生に話をして、それから投薬してもらう様にしています。
妊娠初期においてはより一層ですが、薬の影響が赤ちゃんの安全を考えてあげるものだと思っています。
また、治療する際は、妊娠初期は精神的にも(つわりなどもあり)不安定ですので充分に安心してもらう様に心がけて安心して診させていただきます。
妊婦初期は、ご自身の持っている免疫力が、赤ちゃんに持っていかれるため、歯肉も腫れ安くなります。
俗に、妊娠性の歯肉炎とも言われています。また、食べ物の好みも変わるといわれています。嗜好の変化ですね。
それによって、お口のなかの環境も変わってきます。
中には、歯ブラシするのも気持ち悪いという患者さんがいらっしゃる場合もあります。
もちろん、一時的なものなので、無理をせずに大丈夫になったら磨いてもらう様にします。
それまでは、出来るだけ、汚れていたら、歯科医院で汚れを取り、細菌がこれ以上増えないようにしてもらうのが、1番だと思います。実際にお口の中の細菌の数が減れば、虫歯の進行も抑えられるのが、現実です。
こうゆう、治療をしてくれるのが、歯科衛生士という免許をもつ人達です。
歯科衛生士さんは、昔は2年、今は3年ほど、衛生士学校で歯、及び歯科治療、細菌学、予防医学などを学び、歯科衛生士国家試験を受けて、合格した者です。
それなりの、スペシャリストになる為には、さらに勉強やら、経験も必要になります。
保険診療の悪い所は、歯科医師もそうなのですが、みんな同じ作業で同じ点数です。
経験やら、勉強している人とそうではない人との点数の違いがありません。社会では、勤続年数が経過すればその分昇給もし、偉くなりますが、歯科の業界では、なかなか点数の差がなければ、それも望めません。
衛生士さんの技術を求めるのであれば、やはり、治療費用の差別化は必要かもしれません。
大体妊娠5か月から8ヵ月は応急処置的な治療は可能です
一般には、「大体妊娠5か月から8ヵ月」は、治療も大丈夫だとされていますが、
当院では、あくまで、完治だけではなく多少長く保つ材料で応急的に治療する様に心がけています。もちろん、短期間でです。
レントゲン撮影は勿論被爆の少ないデジタルレントゲン。それならば、腹部からも離れており、赤ちゃんへの放射線の影響は無視出来るレベルです。勿論、必要最低限にするべきだと思います。
また、治療中の局所麻酔は、ほとんど危険性がないことが報告されています。痛みによるストレスを考えると、麻酔は必要だと私は思っています。
歯の痛み止めについては、お腹の赤ちゃんへの影響が少ない痛み止めや化膿止めの薬を必要最小限で処方する場合もあります。
虫歯の治療をする際は、ラバーダムという、感染防止の作業をしてからの治療が必要です。
虫歯を削って、それを飲んでしまう。あり得ない事です。その細菌が、体内に入ってしまう。身体に良い訳はありません。また、治療する際に使用する歯科薬剤、これもまた、細菌を殺すものですから、飲み込んでしまうのは、良い訳ではありません。
これらは、ラバーダムをする事で、ほぼ、予防出来ます。
ラバーダムで治療している際に、全ての感染物をお口の中から、削っておけば、大丈夫です。キレイな歯質でしたら、削っても影響はありません。
考えれば、当たり前の事なのですが、それが、現在、歯科治療で充分に行われていないのが現状です。
後は、出産後、しばらくは、寝る間のない生活が続きますので、歯が、痛くなく、食事が出来る様に配慮してあげれば、歯科医院に行かなくても、大丈夫だと思います。
妊娠中は、精神的・身体的にも負担がないよう安心した治療が一番大切です
妊娠中は、なるべく早く、治療が終わる様に心がけて治療します。
長々と治療が続くと患者さんも不安になるし、精神的、身体的にも負担が来ます。
ある意味、出産して落ち着いたら治療の再開でも良いのかなとも思います。
妊娠中は、段々とお腹も大きくなり、重くなるので、診療体勢にも気をつける必要もあります。
水平に寝かせるとお腹に負担がくるので、やや起こし気味での治療になります。
たまに、出産で歯が悪くなったという患者さんもいらっしゃいますが、日常生活に大きな変化が無ければ、当院が診ている限り、そんなに心配する程、悪くはならない様に思います。
不規則な食生活だったり、充分な歯磨きの時間が出来なくなった場合には、そうなる可能性もあります。
大事なのは、やはり、歯のケアーですね。要は、お口の中の細菌のコントロールです。
しっかりケアーされていないと出産にも影響が無いとは言えません。
低体重出産などの悪影響もある場合もあります。
いずれにしろ、妊娠、出産という一代イベントを控えているという事を歯科医師も考えて妊婦さんに接して治療する、
と言う心構えを当院や私は大切にしています。
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