【歯科医師が教える】歯磨き粉は必要?虫歯予防につながる正しい歯の磨き方
誰も教えてくれない歯磨きのウソほんと
歯の並び方、大きさは人によってバラバラです。
歯の形状も一人一人みんな違います。歯の磨き方も、人それぞれです。
右利きの人は右手でしか磨きませんし、左手も人は左でだけ。
だから、正解という磨き方は人によって違うので、歯磨きはとても難しのです。
でも、できるだけ綺麗にしたい!!
と思いますよね?
歯をゴシゴシと強く磨いてはいけません
歯をキレイにするためには、拭き掃除と同じく、とにかく強くゴシゴシ磨けばよいと思っていませんか?
また、歯ブラシ選びのときも、ゴシゴシ強く磨くために「かため」をチョイスしていませんか?
実は・・・歯科医師である私も、昔はそう思っていました。
でも、実は強く磨くことはNGなのです!
強く磨きすぎるとは大事な歯が削れてしまうのです。
歯ブラシ・歯磨き粉だけではなかなか汚れが落ちないことも多いので歯が削れることは想像しにくいと思いますが、はい、削れます。
歯が削れてしまうと大きな溝が出来、やがて亀裂になっていきます。
実は強く磨きことは、良い磨き方どころか歯にとって悪い磨き方です。
正しい歯の磨き方とはどんな磨き方?
残念ながら、正しい歯の磨き方はコレ!といった正しい方法は、ありません。
その理由は、歯並びやお口の中の大きさなどが、みんな様々なので、ないと言わざをえません。
人間の数だけ、その人に適した歯の磨き方があります。
ですから、私の歯科医院では、患者さん担当の歯科衛生士が、患者さんのお口の状態に合わせた歯磨き指導を行っています。
当院でお薦めしている電動歯ブラシの基準は、
- ブラシのヘッドの向きの調整できる。
- ブラシの重さが軽いこと。
- 防水、耐久性に優れている。
- 回転、振動の調節が出来る。
- 往復運動機能の搭載。
つまようじでシーハーすることについて
ここで、一言。つまようじは、お勧めは出来ないです。つまようじを使うと大きな汚れは取れる感じがしますが、小さな汚れを歯肉の中に入れてしまう事があります。
一般的な普通の歯ブラシについて
さて、では従来の歯ブラシは、どうでしょう。
歯ブラシのヘッドの大きさは下顎の前歯4本の横幅分と言われています。
子供さん達にも、それぞれ下顎の前歯4本の横幅分の歯ブラシを使う事をお薦めしています。
昔、海外から歯ブラシを買って来てくれた患者さんがいたのですが、その歯ブラシはとても大きなものでした。歯ブラシの毛がついている部分だけでも、5センチ位、当然お口の中には全部は入りません。つまり,なるべく毛のついた部分を大きくして短時間で磨こうとしたアイデア商品なのでしょう。その頃の日本での歯ブラシ事情は、ちょっと海外とは逆で、なるべく磨きやすいように、小さいものをお勧めしていました。
実際に、私も使ってみましたが、小さいのは確かに細かく磨けるのですが、磨いた実感というものが、歯ブラシが小さいと感じにくくなる様な、気がします。
私が心からおすすめする歯ブラシはバトラーの#211
では、ここで、マイ歯ブラシ。私は、今までずっとバトラーの#211を使っています。でも、私も歯科医師、当然のことながら本当に色々な歯ブラシを使いました。勿論電動歯ブラシもです。電動歯ブラシは、昔は、充電時間の長さが短かったり、重さが重すぎて疲れてしまったり、長い時間磨いていることが出来ませんでした。今は改良されてよりよいものが出てきていますが、やはりバトラーの#211を超えるものには出会えておりません。
この歯ブラシの逸品といえるバトラー#211を、ぜひ、おためしください。
大きなスーパーやドラッグストア、アマゾンなどの通販、どこでも手軽に買えるはずです。
歯科医師として自信をもってオススメできる歯磨き粉
私は、使いません(きっぱり)
全て自分の口にあるだ液のみで磨きます。歯磨き粉には、余分な研磨剤が含まれて要る為、歯が削れてしまいます。また、発泡剤といわれている泡も出る為、なんか、うがいをしなければ、汚い感じがします。
私は、なるべくならそのまま飲む様にする時もありますが、最初に、歯ブラシをちょっと水で濡らしてからお口の中へ。後は、そのまま磨き続けるのです。たまったつばは、やはり出した方が良いでしょう。
(ちょっと汚いかもですが。もともとお口の中にあった汚れですので、理論上は多少飲んでも大丈夫だと思われます。)
勿論、歯科医師でも虫歯になります。でも、しっかりと磨けば虫歯の進行を食い止められます。
だからこそ歯ブラシは必要です。歯磨き粉はいりません。大切なのは磨き方。歯の磨き方は、プロに習うのがベストです。予防歯科にかよって定期健診と合わせて歯の磨き方を学びましょう。定期的に通うことで、磨き方の癖などもわかります。気をつけるべきポイントがはっきりするので効果的なのです。
歯磨きは、虫歯や歯肉炎の予防になります
歯磨きをする事で、虫歯菌の原因とされるミュータンス菌や歯周病菌が取り除かれます。
その結果、虫歯や歯周病の進行も抑えられます。
虫歯や歯周病の原因
虫歯の原因は、虫歯菌が大量発生して、酸を放出することです。
なので、細菌の数が減れば、その分、虫歯の進行も抑制出来ます。
歯肉炎も同様で、歯周病菌がお口の中にたまってくると、歯周病菌は、歯周ポケットと呼ばれる歯のきわに集まってきます。
そのきわに炎症がおきるのが歯肉炎です。きわから、歯周ポケットに入り、細菌を増殖させるのが歯周病です。
歯肉炎は、歯周病の前兆だという認識も必要です。
お口の中の細菌の数を減らすことが歯磨きの本当の目的です。
勿論、爽快感なども必要ですが、細菌の数が減れば、おのずと爽快感も出ます。
お口の中には、悪さをする細菌がいて、
掃除のようにほうきで汚れを掃くイメージを持つとイメージしやすいかもしれません。
予防に特効薬のようなものはありません
虫歯菌を殺す、歯周病菌を殺す殺虫剤のような歯磨き粉は存在しません。
副作用の問題があり、なかなか実現が難しいです。
なので、細菌を薬で殺す事が出来ない現状では、歯磨きにより細菌の数を減少させて、
虫歯や歯周病の症状を抑えることがやはり1番です。
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