歯の詰め物や被せ物の寿命を数十年にするために必要なこと。被せ物が取れたら放置してはいけません。
虫歯の再発防止と歯に詰める物や被せる物について
虫歯の治療をしたのに、虫歯がまた再発した、詰めたものが取れてしまった、被せていたものが割れてしまった・・・こんな話を耳にしたことがある、または実際に経験お持ちの方いらっしゃることでしょう。せっかく治療したのに、また治療なんて・・・イヤですよね。
何度も治療をするということは、それだけ歯を削るということ。つまり歯が無くなるまでの期間、寿命が短くなります。
例えば歯を削って詰め物を入れます。数年後詰め物がきちんと合っていないために虫歯になってとれてしまいます。そうするとまた歯医者に行き、歯をけずりまた詰め物を詰めるそれが何度も繰り返される度に歯の削られる部分が多くなってしまいやがて神経を処置せざる得なくなります。
さらには神経をとると歯は、よく「枯れ木」に例えられます。枯れ木は一見丈夫そうにみえますが、中は栄養が行き届いていないのでもろくなっています。 生きている歯の神経は常に歯の硬さや再生を支配しています。
歯の神経が死んでしまうという事は、その歯に栄養分が行かなくなってしまいます。従って弱くなり、割れやすくなります。 暫く神経を処置した歯をそのままの状態で使っているともろくなっているので人間の噛む力は自分の体重分位噛む力が強いので、今度は歯にヒビが入って来ます。
歯がヒビがはいりますと、これは大変です。最悪は歯を抜かざる得なくなります。(俗に歯牙破折と呼ばれています。) これが歯の寿命が短くなる原因にもなります。
歯の被せ物が取れたら放置すると、そこから虫歯になったり、余分な負荷がかかり歯が割れてしまう可能性もあります。
歯の被せ物が取れたら放置してはいけません
たまに、歯の被せ物がとれたままにする方がいらっしゃしますが、そのままにして、なるべく強く咬まずに歯科医院で診てもらってください。
確かに虫歯はすでに除去しているので、問題ないのですが1番の心配は、歯が割れてしまう事です。
削ったをそのままにしておくと、歯が割れてしまうリスクが大きくなります。
その結果、周りの組織も感染を起こして溶けてしまうので、ひどいケースでは歯を抜かざる得なくなります
なので、歯の被せ物が取れたら必ずかかりつけの歯医者にいくようにしてください。
治療した歯が何度も悪くなる原因とは?
治療した歯が何度も悪くなるのは、ぶっちゃけ、治療法が悪いという事になります。しっかりとした材料を使い、きちんと治療してあげれば、治療した歯が何度も悪くなる事はありません。
治療したものがダメになる理由は大きく分けると2つあります。
- まず歯みがきがきちんと出来ていない
- 詰め物や被せ物が歯にぴったり合っていない
正しい歯の磨き方をしている人が少ない!
きちんとした歯磨き。これは、皆さんが考えているよりかなり難しいと言われています。一生懸命に磨いてもお口の中の汚れは、約20%は磨き残しがあると言われています。これはお口の中の面積での話なので、イメージが湧かないと思いますが、28本ある歯のうち数本は磨けていない、磨いていないのと同じといえます。勿論、磨けていない面積の話になりますが。
歯の正しい磨き方を身に付ける方法とは?
では、どうしたら歯磨きが十分に出来るようになるのか?
プロに教わるのが一番です。 正しい歯の磨き方というのは、実際は人それぞれなのです。
人によって歯並び、歯の生え方、形、大きさは様々です。つまり上手く磨けない部分は人それぞれです。ですから、自分にとって正しい磨き方はオリジナルなのです。
歯の正しい方は歯磨きの専門家に習うのが一番の近道
例えば、歯科衛生士などですね。
1度習ってしまえば、あとは勉強と同じで応用です。
具体的には、習った事を何回も復習する。復習を続けていけば、自ずと身についていくものです。
先ずは習う、これがきちんとした歯磨きが出来るようになるために必要です。
だからこそ、歯科衛生士という資格があり、職業があるのです。歯科衛生士は、いわば歯ブラシの勉強の先生みたいな存在です。生徒にあった歯みがきの仕方を教えてくれます。
ですから、歯みがきを習うのは、是非、衛生士の資格があるベテランに習うのがわかりやすいと思います。 歯みがきが不十分ですと、健康な歯でも虫歯になる可能性はあります。お口の中には虫歯にするばい菌が常にいますからね。毎日歯みがきをがんばっているのに何故か何度も虫歯になってしまう・・・この場合は、詰め物、被せ物に原因がある可能性が高いです。
虫歯の再発を招いてしまう詰め物と被せ物とは?
詰め物や被せ物が歯にぴったりと合っていないと、隙間や引っ掛かりが生じます。これは、ご自分で気づけないくらい小さく、ばい菌のすみかができてしまい、虫歯になってしまいます。
つまり、詰め物や被せ物が、限りなく精巧につくられて、ぴったりあっていれば,ばい菌が入らなくなりよいのです。
しかし、これを作るのは簡単なことではありません。
それは医院により被せ物や詰め物の精度も違います。もちろん医院の考え方も違いますので、新しい方が良いと思っている歯科医院もあるでしょう。
歯にぴったりと合う詰め物、かぶせ物の製作に欠かせないこと
歯医者でむし歯の治療で歯を削られてから「次に型をとりますね」と言われた記憶、きっとおありでしょう。 この型を歯科用語で『印象』といいます。 歯の詰め物や被せ物を作る時に大切な事は、お口の中から外すときにゆがまない型を採る事、つまり精密な『印象』を採る事なのです。
精密かつ正確に製作することは難しい!
ここで、詰め物や被せ物の製作手順を説明いたします。
- 型を患者さんからとります。
- 採った型に石膏を継ぎます。ここで、模型とよばれる詰め物や被せ物を実際につくる物体が出来上がります。
- 模型をもとに、技工士さんや医者自身がワックスとよばれる、ろうそくの材料で詰め物や被せ物を作ります。
- 鋳造とよばれる作業で実際に金属に被せ物や詰め物を代えていく作業です。
- 研磨、鋳造して出来上がった詰め物や被せ物をピカピカに磨く作業です。
こうして、患者さんのお口の中に入れる詰め物や被せ物が出来上がります。
これだけ多くの工程を経るわけですから、『印象』が少しでも歪んでいればば、工程を経るたびに歪みが大きくなっていきます。
どんなに一生懸命につくっても『印象』が歪んでいますと、実際患者さんのお口の中に入れてみますと、ガタついていて細かいところに隙間が出来たりしました。ましてや入らないこともありました。
『印象』の精密さが、詰め物、かぶせ物がお口に合うか合わないかを決定します。それほど『印象』は重要です。
精密な『印象』を、何でつくるべきなのか?
『印象』は型ですので、その型が変形してしまっては元も子もありません。しかし、変形して歪んでしまいがちなのです。それは、歯と歯肉にはそれぞれゆるいカーブを描いているからです。従って型を外す時は弾力性が必要になります。この弾力性がしっかりと元の位置に戻らないといけないのです。
ですから弾力性と形状を保持できるか否かがカギですので、『印象』の素材選びが、とても大切です。『印象』の素材のことを印象材といいます。
色々な印象材がありますが、型をお口の中から外した時に比較的安定しているのは、現在では、シリコンとよばれるゴムの『印象材』です。
シリコンは、通常、固まるまで時間がかかるし、素材の値段としては高いなどの欠点もありますが、歯にピッタリした被せ物をつくるためにはベストな素材だと思います。
実は私も昔、寒天とよばれるゼラチンに似たものとアルギンとよばれる海藻からできている材料を合わせて印象を採っている時期もありました。詰め物や被せ物は、やはり満足出来る物ではありませんでした。
保険診療でも『印象材』にはこだわる必要があると思います。
自費診療においては保険対象としては認められていない技術や機器を使えますので精密な『印象』つくりは当然なのですが、国が認めている範囲内でしか行えない保険診療でも精密さにはこだわるべきです。
保険診療で使用できる印象材は、決まっています。
しかし、残念ながら、その材料では、精密さ、正確さの面で限界があります。ですから、赤字になったとしても、歯科医師は、印象材にはこだわるべきなのです。
もちろん保険制限内で、保険適用されない高価な材料を使えば使うほどコストはかかります。ですから、コスト度外視での提供はできません。
しかし、最低限、ここだけは身を削ってでも抑えておきたい、それが印象材だと思います。
詰め物や被せ物の未来
現在、マイクロスコープという歯科顕微鏡がありますので、詰め物や被せ物が精密に作られたかどうかを患者さまご自身の目でご確認いただけるようになりました。 マイクロスコープの倍率は、通常の技工士さんがつくるのに使う顕微鏡より倍率が高いので、保険診療で詰め物や被せ物をつくった場合は、ちょっと見せたくない部分もでるかもしれません。。。 でもしっかりと患者さんにはお見せする必要はあると思います。
肉眼レベルで見えなかったものまで、患者さんご自身の目でみることができる、これからは、そういう時代なのです。ごまかしは通用しません。歯科医師も技術を磨いて、より高度な治療を提供しないといけません。
技術といえば、最近の注目は、コンピューターでスキャンして作る、CADCAMという機械も出てきています。(最近、保険導入されました。)精度は残念なことに今1つ悪いのが現状(つまりすき間だらけです。)ですが、今後数十年後には、かなり精度が高いスキャナーが出て来る時代だと思います。
最近では3Dプリンターも話題ですしね。私も今後の詰め物や被せ物の精度をみてこれからは必要な機械であれば使っていきたいと思います。今現在では、コンピューターには負けていません(笑)
時代は常に変化します。良い方向にも悪い方向にも代わっていきます。私達、歯科医師は、常に患者さんに良いものを出来るだけ安く提供出来れば良いのですが、残念なことにそれでは価格競争に飲み込まれてしまいます。吉野家の良い点、安くて上手くて早い。これが患者さんが望む事ではないのかな?と思います。 ただ、現時点の保険制度では、これが難しいのが現状です。
ちょっと高いが、上手で早い。これが患者さんが望む歯科治療ではないでしょうか?
被せ物や詰め物が精巧につくる事が出来れば、トラブルなく何十年と治療した歯が持ちます。
自分が治療した歯がダメになってしまうのは、歯科医師として恥ずべきこと。 私は、心からそう思っています。
歯の神経を抜くと言われた方へ!歯医者が教える神経を抜く治療方法と痛みについて
歯の神経を抜いてはいけません!!歯の神経はとても大切です。
歯は残したほうがよいというのはご理解いただけると思います。しかし、抜いても入れ歯や差し歯、インプラントをすればよいとお思いではありませんか?むし歯の治療で、気軽に歯の神経をとっちゃいますね!なんていう歯科医師もいますが、歯の神経を残すことは本当に大切なことなのです。

神経の有る歯と無い歯では何が違うのでしょうか?
歯の神経がなくなると、歯が温かい・冷たい・しみる等が感じられなくなります。ですから、神経の有る歯より感覚が鈍いので、気づいた頃には神経の有る歯より虫歯が広がっていて状態が悪いことが多く見受けられます。
そして、神経がなくなった歯は通常、根にお薬を入れて治療されています。この状態の歯は健康な歯にくらべて乾燥してしまいますので、神経の有る歯より歯がもろくなり割れやすくなってしまいます。そして、割れてしまった歯の多くは抜歯されてしまいます。こうして、歯の神経が無くなると歯が抜かれてしまうまでの期間が短くなります。個人差はありますが、失った歯が増えるほど残った歯の負担が増えて、残った歯が割れたりしてダメになる速度が速くなり、どんどん歯が無くなっていく傾向があります。
なので、歯の神経を抜くと、「どんどん歯を抜かれしまう悪循環」になりますので、
できるだけぬかないようにしてください。
神経を抜かないといけないのはどんなケースか?
・神経が膿んでしまい、触るだけでも痛い場合。
歯髄壊死、もしくは、歯髄炎の状態。
・さらに痛みを我慢して、もう既に神経がなくなっている場合。
属に歯髄壊死、感染根管ともいいます。
・外からの強い衝撃で歯が割れてしまって、神経がむき出しの状態になり、感染を起こしてい
る場合。
いずれにしても、神経を処置しないと次の治療に進めない場合です。
実際に神経をとらないといけない場合、どの程度痛いのか?
実は歯の神経をとる場合、痛みはほとんどありません。
当然の事ですが、神経を処置するためには、麻酔が必要です。
しっかりと麻酔を効かしてあげれば、痛みは感じなくなります。
後は、神経を取る処置を神経を残すことなく取り切ることが大事です。
神経をきちんと取り切らないと、残髄炎というまた別の痛みが出てきます。
神経を取るのは、非常に簡単な治療です。
1回目は、麻酔と、マイクロスコープなどを利用して、神経を削除し、神経が入っていた場所の清掃、消毒、形成を行います。
2回目に、薬を入れて治療後の保護をします。
神経を取る手術は合計2回で終了します。
ただ、治療はこれだけで完了しません。(ここが、神経を抜く一番大変なポイントです。)
神経が無い歯は、非常にもろいので、補強を継続的にしていく必要があります。
この補強作業がそこから数回かかり、その分、費用も必要です。
(結論)虫歯で神経が無くなり、ついには歯を抜かれてしまうような悪循環にならないようにするためには?
大事なのは、定期的の歯科健診をして歯の磨き方を習ったり、虫歯を作らせないこと。そして虫歯を大きくしない事。(きっぱり)
その為には、ご自分でお口の中をコントロールできることが大切です。そして、虫歯が出来ても大きくなる前に治療することが出来れば大掛かりな治療にならずに済んでしまうことが多いのです。
また、しっかりと磨く事で、小さいを虫歯を消してしまう事もあるんですよ。
定期健診で歯磨きの仕方を振り返っててみたり、お口の中のメンテナンスをしてみませんか?予防に勝る治療はありません!
予防歯科という言葉も理解され標準になって来ました。昔では考えられない現象です。
難しい問題もあります。本来、予防歯科は、人間ドックと同じく自由診療に分類されます。
ただ、実際の診療現場では、歯周病と傷病名を付けてクリーニングしている歯科医院もあるようです。
この判断は実際には、歯周病になったら、歯周病自体、完全に治る即ち、完治する病気ではないので、何時でも傷病名をつけて治療する事は、理論的には、間違いではありません。
従って保険診療の適応にはなります。
しかし、予防歯科の定義では、自由診療。矛盾点は、実際あります。
矛盾点を直していけたらば、良いのですが、これからの歯科医院のあり方ですね。
当院のコダワリ・ポイント
では、現在すでに虫歯が大きい時はどうすればよいでしょうか?
他の歯医者さんで歯の神経を保存できないような状況と言われても諦めないでください。患者さんご自身も出来ることなら神経を抜きたくないと思われる方もいると思います。
その様な時に当院で適用しているのがMTAでの治療法です。
MTAとはMineral Trioxide Aggregateの略で、1990年代初頭にアメリカで開発された歯内治療用材料です。1998年にProRoot MTA(Dentsply Tulsa Dental)として製品化され様々な臨床応用が認められているのですが、日本国内で歯科用覆髄材料として薬事承認されたのは2007年4月と比較的新しい治療材料です。
このMTAをどのように治療に使うかといいますと、MTAと精製水を適切な配分で混ぜて神経、もしくは神経の近いところに塗ります。そうすると虫歯のバイ菌だけが死滅します。つまり神経のある歯は、神経を取らないで済むのです。
MTAは、強いアルカリ性で、ばい菌だけを殺し歯の神経を保存できるのです。すごく簡単に説明になってしまいましたが、実際は神経の炎症状態を見極めないといけないので、ちょっと難しいです。
そんな難しいMTA治療ではありますが、肉眼で見えないところまで確認できる歯科用マイクロスコープであればMTAを最大限に活かすことができる治療が可能です。
いや、歯科用マイクロスコープなければ、この治療は不可能です。不可能は言い過ぎかもしれませんが、治療に100%はありえません。ただ最大限そこに近づける治療が可能になる、これだけは確かです。
このMTAというお薬を使うことで歯の神経を残し、20年,30年後もご自分の歯で元気に生活できるよう、今ある歯を残していくため大きな助けとなっています。
ただ1つ残念な事ですが・・・MTAを使用する治療法は、現在保険診療には適応されていません。従って、被せる歯の詰め物も自由診療になります。
保険が適用できない分、費用はどうしても高額になってしまいますが、20年,30年後も自分自身の歯で生活できることの意味をじっくり考えてみてください。
歯の減りの治療とナイトガード、リカンタリング
ナイトガードについて
ナイトガードとは、就寝中である夜(ナイト)に歯ぎしりを予防(ガード)するためのマウスピースの呼び名です。

ですので一般的な歯科医院のナイトガードは、歯ぎしりの防止、歯ぎしりによって歯周組織への過度の負荷がかからないようにすることを目的としています。歯ぎしりは、食事をする際の2倍の力で噛みしめているともいわれています。当院のナイトガードは、その目的と考え方がちょっと違います。
歯ぎしりの原因で、唯一わかっているのはストレス(現代の悩ましい社会では仕方ない事なのですが。)です。後は、噛み合わせの問題もあるでしょう。おそらく様々な原因があり明確な答えを出すのは難しいと思います。
歯ぎしりは就寝中に起きるわけですが、REM睡眠中、つまり浅い眠りの時に起きるといわれています。歯ぎしりの原因としてあげられているストレス、そして夢が関係しているのでしょうか。歯ぎしりをやめたい、と言いましてもこれは現実的に難しい事です。
そもそも歯ぎしりって悪いことなのでしょうか?
実は、程度の差はあれ、人間は皆歯ぎしりをしているのです。英語ではブラキシズム(Bruxism)といいます。
モノを噛む筋肉というのは、無意識に動く筋肉も含まれています。
歯ぎしりが気になる、という方は、ご自身での自覚でなく、ご家族や恋人に「うるさい」と言われたためではないでしょうか。
人間が無意識に行っている行動には、必ず意味があります。歯ぎしりをすることにも意味があるはずです。近年よく言われているのが、睡眠中に胃から喉に向かって上がってくる胃酸を中和するために唾液を出すために、歯ぎしりをするという説です。逆流性食道炎の人は、歯ぎしりをよくするといいます。逆流性食道炎を抑える薬を服用すると歯ぎしりが減ったという話もあります。
確かに理にかなっていると思います。であれば、自己防衛本能に基づいた行動、つまり歯ぎしりはよいこと、といえますね。しかし、歯ぎしりは、体の不調を訴えるサインともいえますね。
よい歯ぎしりと悪い歯ぎしり
歯ぎしりが人間が睡眠中に行う生理現象であっても、奥歯がすり減って平たくなってしまうような歯ぎしりは歯にとってよくないことです。それに、そこまで力が強いとなると、顎、首、肩に相当な負担がかかっていることでしょう。歯ぎしりが実は肩こりの原因ということもありえるはずです。
歯ぎしりの仕方に問題がある場合、その原因はおそらく歯ではありません。先ほど述べたストレスであったり、胃酸過多の可能性もあります。遺伝が原因説もあります。本当の原因はわかっておらず、人によって様々な原因があるのでしょう。人によって異なるとはいえ、原因がわかり解消されたら、ひどい歯ぎしりはしなくなるかもしれません。
歯に過度の負担をかけない歯ぎしりは、よい歯ぎしりともいえると思います。
歯をすり減らしてしまうような強い歯ぎしりは、悪い歯ぎしりともいえるでしょう。
例えばですが、高価な詰め物、被せ物(クラウン)をされている方、インプラントで高価な被せ物を入れていらっしゃる方、歯ぎしりが原因で割れたり、欠けたり・・・なんてこともあるかもしれません。
ナイトガードを実際に付ける場合
ナイトガードを実際につける場合、最初は誰もが抵抗があると思いますが、効果的に使えば良いものなのでぜひ検討される方は参考にしてみてください。
目的によってことなるナイトガードの種類
先ず、ナイトガードを作る気になったら歯型を取らなくてはなりません。
ナイトガードは2つの種類があり、目的によって取るべき型が違います。
1つ目は、くいしばり防止の為に使用するケースです。
この場合は、上の歯型のみ型をとります。
2つ目は、くいしばり防止に加え、歯を減らさず、顎の安定も図るケースです。
この場合は、上の歯型だけでなく、下の歯型、更には咬みあわせまで取る必要があります。
ナイトガードとマウスピースは全く別のものです
余談ですが、稀に「ナイトガードとマウスピースは一緒ですか?」聞かれることがあります。
確かに、ナイトガードとマウスピースは、歯を守るという点では、ほぼ同じ役割です。
ただ、
ナイトガードは、自分の咬みあわせから歯を減らさず、顎の安定、を目的としているのに対して、
マウスピースは、外部の衝撃から歯を守るという目的で利用されます。
なので、マウスピースは、外部の力を緩和するために厚み、柔らかさが全く異なります。
ボクシングの際に口に入れる物はもちろんマウスピースです。
ナイトガードに保険は適応可能なケースが多いです(一部ケースを除く)
初めてナイトガードを利用される方が気にされるのは、費用面かと思います。
ナイトガードを利用する際、くいしばりの強い方は疾患として扱われますので、保険適応になります。
一方で、将来的に予防の観点で装着するナイトガードは、自費になります。
保険適応化どうかの判断は、通院される歯医者さんが決めるかと思いますので聞いてみてください。
ただ、個人的には、ナイトガードの利用する必要がある方は、疾患として扱われるケースが多いかと思います。(※詳細は通院される歯医者さんへ)
歯科医師として出来ることは、歯の減りを予防するための提案です。
仮にストレスが悪い歯ぎしりの原因だとしても、歯科医師としてストレスをとることはできません。食生活や生活リズムの改善を奨めることは出来ても、これは誰でも言えることです。
歯科医師としてできることは、歯ぎしりによる歯の減りをできるだけ少なくするということです。
それがナイトガードです。当院のナイトガードの目的は、歯ぎしりの予防ではなく、歯の減りを無くしていくこと。これに尽きます。
夜、寝ていて食いしばったり、歯ぎしりをすると、上下の歯が強い力で擦れて行きます。 つまり、歯はどんどん減っていきます。減ると奥歯は段々と平らになっていきます。また、同じように前歯も減ります。
歯周病や虫歯も高度な治療方法や予防処置により抜歯することなく残すことができる様になった現在、将来の歯の健康を考えた場合、気になるのは上下の歯の減り方です。
歯というものは、人間だけでなく動物もみな同じなのですが、徐々にと減っていくものです。 ですから、それを少しでも減らそうというのが、当院のナイトガードの本当の目的です。
食いしばりや歯ぎしりによる歯の減りを軽減させるために夜間の就寝中にナイトガードを装着していただきたいですね。
当院オリジナルのナイトガードは、常にきちんと全部の歯が当たる様に調整されています。勿論、一定の期間を設けての点検も行ないます。
ナイトガードが、顎の関節症状の改善にも繋がる場合も見受けられます。(これは、経験から来るものですが…)
ここで余談ですが、人の歯の硬さは、実は、鉄よりも硬いのです。歯の表面のエナメル質は、ほぼ水晶と同じ位の硬さなんです。(ちなみに硬さを表すのに、モース硬度というのがあります。鉄のモース硬度は5,歯のエナメル質は、硬度7です。硬度10は、ダイヤモンドです。つまり歯は硬いんですよ。)
顎の関節症状の改善も少しは期待できるという意味でも、歯の減りを軽減する目的では、ナイトガードをお薦めします。ナイトガードが歯の減りを少しでも減少させてくれたら幸いです。
人間の歯の中で一番大切なのは、ズバリ「奥歯」です。
奥歯は前歯に比べて頑丈と思われがちですが、なんと前歯とくらべて平均寿命は約10年も短いんですよ。ものを噛むときに奥歯にかかる力は体重と同じくらいです。奥歯一本失うだけで、噛む力は一気に落ちます。つまり、食事の消化、吸収にも悪影響がでます。そして、噛む力と脳は密接な関係にあります。歯の残数と認知症の関係も近年では多く報告されています。奥歯を失うと、体全体に影響が出る、というのは言い過ぎではありません。
最後に忘れてはいけないのは、奥歯は顔の表情をつくる上でも重要です。顔の輪郭を形成するのは顔の筋肉です。しっかり噛むことができれば、顔の筋肉も衰えません。表情や笑顔にハリを与えるのが健康な奥歯です。
そんな大切な奥歯を、出来るだけ永く残してあげたいのです。
では、減った前歯は、どうなるの?
前歯は、奥歯と同じように減ると薄くなります。(奥歯は平らになりますが上の前歯は、裏側が減ります。)
薄くなった前歯は、欠けていきます。これは、結構みっともなくなります。(きっぱり)そこで、当院では、リカンタリング(recontouring)という治療をしています。
contouringとは輪郭削りの意味で、それをre-contouring、つまり再形成するのです。このrecontouringを歯科では形態修正の意味で使います。
具体的には、リカンタリングという治療は、薄くなってきた前歯を削って、厚みを出し、隣の歯と切端を並べる治療の事です。(審美歯科治療としては、定着しています。)外国人の人で、前歯から糸切り歯の手前まで、真っ直ぐ綺麗に並んだ歯をみる事がありますよね。
特に、肉食系の外国人は、前歯で肉を食いちぎる為に、薄くなる前から、前歯の先を削って厚くしておく場合もあります。
歯を削って並べるのが良いとされている人も多いようです。(文化の違いですが、海外では、ギザギザの歯は幼いと見られて、嫌われています。)
最近、日本でも外国人の真っ直ぐに揃った歯を羨ましく思う人も多くなってきています
でも、前歯も出来れば、リカンタリングしたくないですよね。
とにかく、歯を減らさない!!
これにつきます。
【歯科医師が教える】歯磨き粉は必要?虫歯予防につながる正しい歯の磨き方
誰も教えてくれない歯磨きのウソほんと
歯の並び方、大きさは人によってバラバラです。
歯の形状も一人一人みんな違います。歯の磨き方も、人それぞれです。
右利きの人は右手でしか磨きませんし、左手も人は左でだけ。
だから、正解という磨き方は人によって違うので、歯磨きはとても難しのです。
でも、できるだけ綺麗にしたい!!
と思いますよね?
歯をゴシゴシと強く磨いてはいけません
歯をキレイにするためには、拭き掃除と同じく、とにかく強くゴシゴシ磨けばよいと思っていませんか?
また、歯ブラシ選びのときも、ゴシゴシ強く磨くために「かため」をチョイスしていませんか?
実は・・・歯科医師である私も、昔はそう思っていました。
でも、実は強く磨くことはNGなのです!
強く磨きすぎるとは大事な歯が削れてしまうのです。
歯ブラシ・歯磨き粉だけではなかなか汚れが落ちないことも多いので歯が削れることは想像しにくいと思いますが、はい、削れます。
歯が削れてしまうと大きな溝が出来、やがて亀裂になっていきます。
実は強く磨きことは、良い磨き方どころか歯にとって悪い磨き方です。
正しい歯の磨き方とはどんな磨き方?
残念ながら、正しい歯の磨き方はコレ!といった正しい方法は、ありません。
その理由は、歯並びやお口の中の大きさなどが、みんな様々なので、ないと言わざをえません。
人間の数だけ、その人に適した歯の磨き方があります。
ですから、私の歯科医院では、患者さん担当の歯科衛生士が、患者さんのお口の状態に合わせた歯磨き指導を行っています。
当院でお薦めしている電動歯ブラシの基準は、
- ブラシのヘッドの向きの調整できる。
- ブラシの重さが軽いこと。
- 防水、耐久性に優れている。
- 回転、振動の調節が出来る。
- 往復運動機能の搭載。
つまようじでシーハーすることについて
ここで、一言。つまようじは、お勧めは出来ないです。つまようじを使うと大きな汚れは取れる感じがしますが、小さな汚れを歯肉の中に入れてしまう事があります。
一般的な普通の歯ブラシについて
さて、では従来の歯ブラシは、どうでしょう。
歯ブラシのヘッドの大きさは下顎の前歯4本の横幅分と言われています。
子供さん達にも、それぞれ下顎の前歯4本の横幅分の歯ブラシを使う事をお薦めしています。
昔、海外から歯ブラシを買って来てくれた患者さんがいたのですが、その歯ブラシはとても大きなものでした。歯ブラシの毛がついている部分だけでも、5センチ位、当然お口の中には全部は入りません。つまり,なるべく毛のついた部分を大きくして短時間で磨こうとしたアイデア商品なのでしょう。その頃の日本での歯ブラシ事情は、ちょっと海外とは逆で、なるべく磨きやすいように、小さいものをお勧めしていました。
実際に、私も使ってみましたが、小さいのは確かに細かく磨けるのですが、磨いた実感というものが、歯ブラシが小さいと感じにくくなる様な、気がします。
私が心からおすすめする歯ブラシはバトラーの#211
では、ここで、マイ歯ブラシ。私は、今までずっとバトラーの#211を使っています。でも、私も歯科医師、当然のことながら本当に色々な歯ブラシを使いました。勿論電動歯ブラシもです。電動歯ブラシは、昔は、充電時間の長さが短かったり、重さが重すぎて疲れてしまったり、長い時間磨いていることが出来ませんでした。今は改良されてよりよいものが出てきていますが、やはりバトラーの#211を超えるものには出会えておりません。
この歯ブラシの逸品といえるバトラー#211を、ぜひ、おためしください。
大きなスーパーやドラッグストア、アマゾンなどの通販、どこでも手軽に買えるはずです。
歯科医師として自信をもってオススメできる歯磨き粉
私は、使いません(きっぱり)
全て自分の口にあるだ液のみで磨きます。歯磨き粉には、余分な研磨剤が含まれて要る為、歯が削れてしまいます。また、発泡剤といわれている泡も出る為、なんか、うがいをしなければ、汚い感じがします。
私は、なるべくならそのまま飲む様にする時もありますが、最初に、歯ブラシをちょっと水で濡らしてからお口の中へ。後は、そのまま磨き続けるのです。たまったつばは、やはり出した方が良いでしょう。
(ちょっと汚いかもですが。もともとお口の中にあった汚れですので、理論上は多少飲んでも大丈夫だと思われます。)
勿論、歯科医師でも虫歯になります。でも、しっかりと磨けば虫歯の進行を食い止められます。
だからこそ歯ブラシは必要です。歯磨き粉はいりません。大切なのは磨き方。歯の磨き方は、プロに習うのがベストです。予防歯科にかよって定期健診と合わせて歯の磨き方を学びましょう。定期的に通うことで、磨き方の癖などもわかります。気をつけるべきポイントがはっきりするので効果的なのです。
歯磨きは、虫歯や歯肉炎の予防になります
歯磨きをする事で、虫歯菌の原因とされるミュータンス菌や歯周病菌が取り除かれます。
その結果、虫歯や歯周病の進行も抑えられます。
虫歯や歯周病の原因
虫歯の原因は、虫歯菌が大量発生して、酸を放出することです。
なので、細菌の数が減れば、その分、虫歯の進行も抑制出来ます。
歯肉炎も同様で、歯周病菌がお口の中にたまってくると、歯周病菌は、歯周ポケットと呼ばれる歯のきわに集まってきます。
そのきわに炎症がおきるのが歯肉炎です。きわから、歯周ポケットに入り、細菌を増殖させるのが歯周病です。
歯肉炎は、歯周病の前兆だという認識も必要です。
お口の中の細菌の数を減らすことが歯磨きの本当の目的です。
勿論、爽快感なども必要ですが、細菌の数が減れば、おのずと爽快感も出ます。
お口の中には、悪さをする細菌がいて、
掃除のようにほうきで汚れを掃くイメージを持つとイメージしやすいかもしれません。
予防に特効薬のようなものはありません
虫歯菌を殺す、歯周病菌を殺す殺虫剤のような歯磨き粉は存在しません。
副作用の問題があり、なかなか実現が難しいです。
なので、細菌を薬で殺す事が出来ない現状では、歯磨きにより細菌の数を減少させて、
虫歯や歯周病の症状を抑えることがやはり1番です。
口臭の原因は親知らずかも!?親知らず抜歯と臭いの関係性
親知らずが口臭と関係している?
誰もが気になる「お口のニオイ」…虫歯や歯周病が原因だったり、舌の汚れ、加齢によるもの、、、免疫力の低下、膿栓(臭い玉)と様々な要因があります。しかし、その口臭の原因は、実は、親知らずがかもしれません。
親知らずが臭い?これは、どんな時だと思いますか?
正常に生えて来る親知らずでも臭う事があります。
これは親知らずに歯肉が被さっていることが主な原因の可能性が高いです。
このような状態です。左の図では親知らずの上に歯茎が被さっていますが、横に被さっている場合もあります。これを歯肉弁といいます。歯肉弁と歯の間に食べ物のカスが入り込んで発酵するのです。
とは言いましても、隙間なんてあるの?と思われる方もいらっしゃることでしょう。この隙間は、親知らずの頭の表面がつるつるではなくギザギザしている(細かい凸凹がある)ためです。これは、親知らずに限らず生えたての歯の表面にみられる特徴です。
ですので、歯肉が乗っかている親知らずは、中に食べ物のカスがたまりやすくなります。(ギザギザでなく、ツルツルならば、まだ良いのですが)
そうして溜まった食べ物のカスが発酵して臭いを出すのです。これはプラーク(歯垢)と呼ばれているものですので菌が繁殖します。つまり虫歯になる可能性が非常に高いということです。この親知らずと歯肉弁の間の汚れは、いくら歯みがきをしてもキレイにするのは困難です。ただでさえ磨きにくい場所ですしね。無理に磨いてしまい、逆にお口の中をキズつけてしまうことにもなりかねません。ですから口臭の原因となっている場合は歯医者さんできちんと処置をしないと解決できません。
そして、勿論、発酵するわけですから化膿もして来ます。それがまた、親知らずの痛みに繋がります。 そう、痛いのです。そうして今度は、親知らずが膿を持ってくるのです(智歯周囲炎)。
歯肉弁以外にも親不知は基本的に歯周ポケットが深く、生え方が中途半端なことがほとんどなので、となりの大臼歯との隙間も大きく汚れがたまりやすい、そして汚れが取れにくいので口臭の原因になります。
私の経験上、3回位までは、薬(投薬)でしのげます。 3回以上は、ごめんなさい。ダメです。お薬(投薬)も効かなくなります。 特に横に生えてきた親知らずは、頭が出た反対側に膿をためます。
臭いがでたら要注意です。(きっぱり)
ところで、先ほど出てきた智歯周囲炎ですが・・・
智歯の歯冠周囲粘膜(しかんしゅういねんまく)が赤く腫れ、痛みと膿(うみ)が出てきます。激しい痛みや腫れで口が開かなくなり、のども痛く、物を飲み込めなくなります。さらに発熱や食欲不振、全身倦怠感(ぜんしんけんたいかん)などの症状が続きます。炎症をくり返す間に、体調の悪いときに重なると重症になります。炎症の範囲はのどの奥から顎下部(がくかぶ)、さらに頸部(けいぶ)から胸部にまで広がり、死につながることがあるので注意が必要です。
引用元:http://kotobank.jp
口臭が気になったら悪化する前に歯医者さんへ!!!
親知らずによる口臭の話でしたが、もちろん口臭の原因は様々です。口臭の原因の6割は舌の汚れと言われており、これを舌苔(ぜったい)といいます。わかりやすく言うと、お肌の垢、頭皮のフケと同じで、お口の中の汚れが舌苔です。舌苔は、お口の中の粘膜の細胞が剥がれ落ちて舌のヒダに溜まったものです。これは腐敗しますので悪臭を放ちます。
歯みがきの際に舌を磨いたり、ベロ専用のブラシもありますが、本来は食事の際にしっかり噛むことによって舌を綺麗にします。噛んで食事をすることは、消化の面だけでなく舌をキレイにするのです。だからこそ歯は大事なのです。
知ると恐ろしい、口臭の臭いの原因物質
口臭の嫌な臭いの原因物質のうち最も割合が多いのは、実は硫化水素です。硫化水素は、火山や温泉で嗅いだことある方が多いであろう、あのニオイです。腐った卵の臭い、硫黄の臭いと思われる方が多いと思います(実際は硫黄自体は無臭です。)。
硫化水素(H2S)・・・毒ガスです。濃度が高ければ死にます。猛毒です。硫化水素自殺が流行り社会問題にもなりました。
しかし、口臭で発生する量はごくごく微量です。しかも呼吸をする上で体内に入る際は薄まりますので問題は一応ないということになっています。でも、たとえ微量でも体へ与える悪影響はゼロではありません。硫化水素は、癌の発生原因である活性酸素を増やす、細胞のDNAを分断する、なによりも歯周病の原因となります。ですから、口臭が気になったら歯医者さんへ行きましょう
親知らずが原因による口臭を何とかするには、親知らずを抜くしかありません。
歯は本来残すべきもの、これは絶対です。しかし、親知らずだけは例外です。ひょっとしたら、何百年後という遠い将来、人間には親知らずは生えないかもしれません。そういう存在なのです。だから現在では、生えない人もいますし、生えても真っすぐな人は少ないです。少ししか生えなかったり、向きが斜め、真横だったり、歯茎の下に潜ったまま変な方向にはえて隣の奥歯をおしてしまったり。。。ですので、悪影響を与える可能性が低い生え方をしている親知らずでない限り、本来は10代〜20代前半と比較的早い時期に親知らずを抜いておいたほうがよいのです。親知らずが口臭の原因ならば、根本的な解決方法は抜歯しかありません。
抜歯、つまり、歯を抜くということは、恐怖ですよね。想像するだけで痛いです。歯を抜いて、痛みと腫れがひかなくて地獄のような日々を過ごした人が身近にいたのなら尚更でしょう。でも、ちょっと安心して下さい。痛くない抜歯方法はあります。抜歯は技術力が問われますので、歯を抜く場合は、お住まいの地域の歯医者さん情報をよく調べてみましょう。痛みなく歯を抜いてくれた、抜いた後も全然平気だった、そのような歯医者さんはきっとあると思います。ちなみに私の歯科医院「高倉歯科マインドクリニック」は、東京都世田谷区の明大前〜下高井戸エリアにあります。もしお近くにお住まいでしたら、ご相談下さいね。
親知らず抜歯後の臭いについて
親知らずを抜歯した後、臭いがきつくなりがちです。
考えられる原因は2つあります。
① 膿
抜歯した後にできる穴を抜歯窩といいます。この抜歯窩は傷口です。抜歯窩はすぐに血餅で満たされ2,3日で傷口は小さくなり、1週間前後で閉じるものなのですが、この期間中に臭いが発生するのです。つまり、傷口に白血球やリンパ球が集まり細胞の修復が行われるのですが、その中で死滅した血液細胞が膿となります。その膿が臭いを出します。
② 歯の汚れ
抜歯したところ以外で噛むようにしたり、痛む傷口を守るために歯みがきも不十分になります。これは仕方のないことです。しかし、必然的に歯に汚れが付きやすくなります。この汚れが発酵して臭いがします。
①と②の相乗効果で臭いが更にキツくなります。
抜歯後の傷口が完全に治癒すれば臭いはなくなります。1週間〜2週間の我慢ですね。
でも、親知らずの抜歯後の臭いを防ぎたい…
つまり、抜歯後の傷口の痛みがなく、化膿も抑えることができれば・・・ニオイは防げるということです。
当院が行っている「痛くない抜歯」治療は、抜歯後の臭いを抑えるという点についても有効な治療法といえると思います。
抜歯治療にかかる費用
抜歯の治療にかかる料金ついては、高倉歯科マインドクリニックの費用例のページをご覧下さい。自由診療(保険適用外)の費用例を2つ説明しています。