歯と神経は出来るだけ残すべきものです。
歯の根っこというのは、歯の神経があるところで根管といいます。根幹ではなく根管です。歯の神経といいますと痛みの原因ということで邪魔者扱いされがちですが、歯にとってとても大切です。 一般的にいう歯の神経は正しくは「歯髄」といいます。骨髄移植という言葉は多くの方がご存知でしょう。骨の内側にある骨髄、歯の内側にあるのが歯髄です。骨髄を取る、と聞けばゾッとしませんか?歯の神経を取る、これも同じことです。 この歯髄がある根管がむし歯菌に冒されると大変です。神経がたくさん集まっているところですから激痛を伴う場合がほとんどです。歯を抜かなければならない場合もあることでしょう。 歯が痛くて歯医者にいったら「神経全部とっちゃいますねー。」・・・このように言われた経験ある方多いと思います。私は医師として、患者さんの歯と健康を考えるならば出来る限り残してあげる治療をするべきだと考えています。 しかし、神経を残す治療は難しく、実は神経を全部取るのも難しいのです。治療した歯が、また痛くなった・・・これは根管治療が完全でないためである場合がほとんどです。では、なぜ難しいのか?説明いたします。
歯の根っこは、とっても複雑な
根菅というのは、アルファベットのUをひっくり返したような形と思われている方が多いと思います。実際は、かたちは様々です。左の図のように複雑な形状の場合もあります。まさに迷路。左の図は断面図ですが、実際には上からしか見ることができません。つまり、よっぽどシンプルな根管でない限り、肉眼での確認は不可能です。従来からの根菅治療、多くの歯科医院で行われる治療は、信じられないかもしれませんが、経験と勘に頼る治療なのです。 根管は、目に見えないくらい細い管だったり、細かく枝分かれしているとなると完全な治療は難しいです。それは歯の内部に細菌を残してしまうことになり、再発のリスクが高いのです。根管治療を繰り返すことは望ましくありません。一般的に再根管治療の成功率は低いことでしょう。厳しい言い方で恐縮ですが一般的には「痛くなってから慌てて歯医者に行く時点で難しい状況」なのです。治療が難しいので「抜歯⇒インプラント」を勧めるケースが多いと思われます。 当院では、歯を抜く、というのは最終手段と考えています。可能性がある限り、歯を残すために全力で治療を行います。
あきらめないで下さい。
肉眼とルーペだけではどんなに腕の良い歯科医師でも難しかった根管治療ですが、マイクロスコープという歯科用の医療機器の登場により大きく進歩しました。革命といっても言い過ぎではないと思います。 マイクロスコープを使うことで、細く暗い管の内部を拡大してみることができるだけでなく、ある程度、明るく照らすことが出来ます。手探りと勘ではなく、目で見て確実に治療ができるのです。複雑に枝分かれした管内を綺麗に清掃した上で隙間なく薬剤を詰め込む(充填)という治療が、マイクロスコープならば可能になりました。アメリカでは、根菅治療にはマイクロスコープの使用が主流です。 当院では、特殊な薬剤を使用することで封鎖性を高めます。根菅治療では必要なラバーダムの装着はもちろん行います。ラバーダム防湿法なしでの治療はありえません。万全の体制・最新設備で完全なる根管治療を実現します。 ▸ マイクロスコープとは? 高倉歯科マインドクリニックは、このマイクロスコープを本当の意味で使いこなすことができる歯科医師がいます。手先の器用さだけではなく、状態の見極めと最新の技術まで取り入れた的確な処置、より完璧な根本治療を追求し続けています。
他の医院からのお願いにも応えています。
マイクロスコープを使用しない根管治療に於ける確実な治療は現実的に厳しいと思います。すべての歯科医院にマイクロスコープはありません。マイクロスコープを設置している歯科医院は徐々に増えてきてはいますが少数です。統計データによれば約3パーセントだそうです。 そしてマイクロスコープ設置医院=使いこなしている医院ではないという現実的な問題もあります。マイクロスコープに限らず、道具や機器を使いこなせるようになるには時間と経験が必要です。楽器がよい例です。 当院では、他の歯科医院からの依頼による根管治療も随時行っております。 他の病院で、抜歯と診断された方、根菅治療についての不安がある方、是非ともお気軽にご相談ください。一緒に治していきましょう。